食事の栄養素について知る⑥
~エネルギー作りをサポートするビタミン~
5大栄養素は、体内の働きによって主にエネルギー源となる炭水化物(糖質)、脂質、たんぱく質という「3大栄養素」と、体の機能調整役となるビタミン、ミネラルに大別されます。
そして、ビタミンはカラダの中でエネルギーを作り出すサポートをしています。
たとえば自動車は、エンジンでガソリンを燃やして、そのエネルギーで走っています。エンジンがスムーズに動くためには、エンジンオイル(潤滑油)が必要です。
ヒトの場合、約37兆個もあるといわれる細胞の一つひとつに、エネルギーを生み出すクエン酸回路(TCA回路)という仕組みが備わっていて、糖質や脂質、ときにはたんぱく質を燃料にして、体内でエネルギーを作り出すために回り続けています。ビタミンは、このクエン酸回路の潤滑油のような働きをしているのです。
ビタミンが不足すると、クエン酸回路がスムーズに回らなくなってエネルギーが足りなくなり、ヒトは疲れを感じるようになります。
つまり、ビタミンはエネルギーにはなりませんが、タンパク質、脂質、炭水化物(糖質)の分解や合成を助ける働きを持ち、健康維持、体調管理には欠かせない栄養素で、血管や粘膜、皮膚、骨などの健康を保ち、新陳代謝を促す働きをしています。
ビタミンは、必要量はごくわずかで良いのですが、体内でほとんど合成されず、合成されても必要量に満たないために必ず食品から摂取しなくてはならない「必須栄養素」です。
必須栄養素である「ビタミン」は、大きく「脂溶性」と「水溶性」の2つに分けられます。 全部で13種類あり、それぞれの働きが違います。
油脂に溶けやすい「脂溶性ビタミン(A,D,E,K)」は、その性質から油と一緒に摂ると吸収率が上がります。ただ、大量に摂取すると肝臓に蓄積される為、過剰症になる可能性があります。
一方、「水溶性ビタミン(B群,C)」は水に溶けやすいため過剰症の心配がほとんどありませんが、尿などと一緒に排泄される為、必要な量を毎日取る必要があります。
ビタミンは野菜、果物に多く含まれている栄養素です。
通常の食生活では摂り過ぎる心配はありませんが、私たちの身の回りには、補充療法薬としてビタミン剤やサプリメントがあふれている為、大量に摂り過ぎないように注意も必要です。
また、ビタミンは単独で働くわけではなく、そのほかのビタミンや栄養素といっしょになって機能します。そのため、偏った食生活で特定のビタミンが不足すると、カラダの疲れがとれないだけでなく、ビタミン欠乏症という病気になることもあります。
ビタミン13種類の特徴と働きは、下の表を参照
参照引用:「からだとビタミン」興和株式会社 https://hc.kowa.co.jp/qpkowa/column/vitamin/
表のようにビタミンの働きには、病気の予防、また人間の生命を維持するための役割があり、ビタミンは「生命を保ち続ける際の潤滑油」とも言えます。
なかでも、ビタミンB群は、エネルギーを生み出す3大栄養素の分解や、代謝に必要な「体内酵素」の働きを助ける「補酵素」として重要な成分なのです。エネルギーそのものになるわけではないけれど、エネルギーを生み出すためにはなくてはならない、まさに影の立役者がビタミンB群です。
現代社会では、ストレスを受けることによる自律神経の乱れや、慢性的な疲労感を感じる「ストレス性疲労」を抱えている社会人が多く、こうした疲労感を回復できないでいます。また、現代人はビタミンB群不足でもあるのです。
「寝ても疲れがとれない」「常にだるい」そんな疲労状態が体の中で起こっている時は、しっかり睡眠をとることも大切ですが、栄養バランスの良い食事、なかでもビタミンB群を摂取することを意識してみましょう。
健康なカラダ作りには、健康な食事が基盤となります。不足している栄養は、天然のものから確実に摂ることができるように「食」の知識をしっかり身につけましょう。
次回は、このシリーズ7回目の「ミネラル」です。
食を学んでキレイと健康を一生自分のものにしましょう。
あなたの美と大切な人の健康のために 【生涯一番大切な食習慣】を始めませんか。