食事の栄養素について知る④~いまや第6の栄養素「食物繊維」~

食事の栄養素について知る④

~いまや第6の栄養素となった「食物繊維」~

 

 

 

前回の記事「炭水化物」の続きです。

 

炭水化物は、ヒトが消化・吸収できる「糖質」と消化できない「食物繊維」の総称であると、前回の記事でお伝えしましたね。

 

 

 

それまで、皆さんは食物繊維が炭水化物の仲間だってことは知っていましたか?

 

参考資料「炭水化物の理解度と食物繊維に関する意識調査」掲載元:@Press

 

「食物繊維」は、ひと昔前までは、体内の消化酵素で分解されず、吸収もされないカラダの役に立たない「食べかす」と考えられていました。

しかし、1970年代から研究が進み、いまや、おなかの善玉菌を増やし、腸内細菌のバランスを整えるなど、カラダに有用な働きをすることが注目され、5大栄養素に続く、6の栄養素とまでいわれるようになったんですね。

 

 

また、食物繊維とひと口にいっても、野菜や果物に含まれるもの、海藻に含まれるもの、微生物がつくるものや、動物性のものなど、私たちが考えている以上に多くの種類があります。

※図は、年代別食物繊維摂取の食物内容の変化「日本食物繊維学会監修『食物繊維 基礎と応用』p228, 第一出版」

 

その食物繊維は、溶けやすい水溶性のものと、溶けにくい不溶性のものに大きく分けることができます。

どちらも体内に吸収されませんが、健康のためのそれぞれの役割をおこなっています。

 

水溶性食物繊維は、

 

水に溶けやすくゼリー状になります。

胃腸内をゆっくり移動するので、お腹がすきにくく、食べすぎを防ぎます。糖質の吸収をゆるやかにして、食後血糖値の急激な上昇を抑えます。

また、胆汁酸やコレステロールを吸着し、体外に排出することで血中のコレステロール値も低下させます。

また、大腸内で発酵・分解されると、ビフィズス菌などが増えて腸内環境がよくなり、整腸効果があります。

 

水に溶けにくい不溶性食物繊維は、

 

胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、便の容積を増やすため、腸を刺激し、蠕動(ぜんどう)運動が活発になるので、便通が良くなります。

また、有害物質を吸着させて、便と一緒に体外に排出するので腸をきれいにしてくれます。

大腸内の細菌により発酵・分解され、ビフィズス菌などの善玉腸内細菌の餌になるので、善玉菌が増え腸内環境が改善されます。

 

そのほかにも、食物繊維の多い食品は、低カロリーのうえに噛み応えもあり、食べた時の満足感も高いため、食物繊維の多い食事をとることで肥満も防ぐことができ、生活習慣病予防にもなります。

 

 

食物繊維の1日の摂取目標量は、成人男性で20g以上、成人女性で18g以上と設定されています。

 

 

日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年代には1日20gを超えていましたが、食生活の欧米化などに伴い食物繊維の摂取量が減り、今では1日約5~6gも不足しているといわれています。

 

通常の食事からでは、食物繊維の過剰摂取の心配はなく、むしろ、現在の日本人は、食物繊維が不足ぎみなので意識してとる必要があります。

 

しかし、天然由来の食物繊維を摂ることが重要です。いわゆるサプリメントなどで多量に摂り過ぎるとミネラルなどの吸収を妨げることがあるからです。

 

 

だから、私たちは、「食べる酵素スムージー」をお勧めします。

 

果物や野菜まるごとブレンダーで混ぜ合わせたスムージーは、食物繊維が豊富に含まれていますし、果物や野菜そのものより摂りやすくなり、消化にもよいというメリットがあります。

 

欧米では、食物繊維を一日あたり24g以上摂取することで、心筋梗塞のリスク低下が観察されるとの研究報告があります。また、糖尿病・虚血性心疾患などの生活習慣病に対しても予防効果が認められ、腸内環境を正常に整える作用も知られています。

 

健康なカラダ作りには、健康な食事が基盤となります。不足している栄養は、天然のものから確実に摂ることができるように「食」の知識をしっかり身につけましょう。

 

 

次回は、このシリーズ5回目の「脂質」です。

 

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